近年、知財リテラシとういう言葉が企業において重要視されています。知財リテラシとは、知的財産の基本的な仕組みや権利を理解し、ビジネスの場で適切に活用できる力を指します。ここにおける活用とは、自社の知的財産権の有効活用だけでなく、他社の知財権も尊重し、ひいては自社が侵害者となってしまうことを守ることを意味します。自社の知財リテラシ向上を検討されている方は、是非、お声掛け下さい(こちら)

 以下では、知財検定2級相当の問題を取り上げています。

<特許> 

【問い】特許発明が方法の発明である場合、当該方法の使用にのみ用いる物の輸入に、特許権の効力は及びますか?

【答え】これは特許法第101条第4号に規定されている内容。特許発明に抵触する方法にのみ使用される物を生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為は、特許権侵害(いわゆる間接侵害)にあたる。間接侵害となる物を生産、譲渡だけでなく、輸入、それから譲渡等の申出もアウトである。公開代償として与えられる特許権の効力は、基本的に大きい、と考えておけばOK。効力が小さかったら、特許制度が崩壊するので。頑張ればボーナスが増える!とした方がwin-winになる考えと基本的に同じ。したがって、答えはYes。(2026.05.25)

【問い】特許庁長官は、明細書の一部の記載が欠けていることを発見した場合、出願を却下しますか? 

【答え】平成27年の改正により、特許庁長官は、出願人に対して、欠落部分を補完することができる旨を通知することとなりました(特38条の2)。これは、国際的な手続の統一化に基づくもの。出願却下は出願人にとって酷であるとの判断があります。したがって、答えはNo。 (2026.05.02)

<意匠>  

【問い】意匠法における意匠とは、当業者の視覚を通じて美感を起こさせるものであることを要しますか?

【答え】意匠法第2条には、「視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。」と記載されています。この場合の美観とは、当業者や創作者ではなく、需要者(一般消費者および取引者)の視点で判断されます。したがって、答えはNo。  

 「意匠法の要件として美観が必要か?」という問題ではなく、「美観があると認定するのは誰か?」という問題。冷静に考えてみれば当事者や創作者であるはずがありません。知財検定の問題の中には、こうした、相撲でいえば立ち合いで変化するような問題が見られます。受験者は正面から試験に臨むわけですから、如何なものだろうと思われる問題が散見されます。(2026.05.03)